■月蝕歌劇団 [演劇]

2009年12月 月蝕歌劇団 実験室公演『白夜月蝕の少女航海紀』
2009年12月13日(日) 午後7時30分~ 風紋
隠れ家風な喫茶店に集う者達はそれぞれ、人には明かせぬ秘密を抱えていた。
そんな中で、少女じゅんだけはフランスへ旅立ってしまった愛しい恋人を一途に思い続け、彼に逢いに行く為に歌手を目指し、芸能プロダクションのスカウトマンがやって来るのを待ち焦がれる日々。
そんなじゅんを付け狙う高校教師・上杉、落第を繰り返す女子高生・ますみ、心臓が弱く学校へ行っていないまち子、じゅんを温かく見守る喫茶店のマスター、献身的なウェイトレス、経験豊富で妖艶なリル達との他愛の無い毎日。 そんな日常に変化は突然訪れた。
「かくまって欲しい」と逃げ込んで来た女性・野狐お銀の出現により、夢の世界を現実が襲う…ドラマ
新宿は花園神社の近く、表通りの喧騒から離れた薄暗い小道の地下にあるカウンターだけのバー“風紋”。
その小さな店の中のソファに座った20人ほどの老若男女(子供は皆無)は静かに待っていた。
店内が暗転し、音楽が始まる…
突然の光(懐中電灯)に照らされた黒尽くめの若者ジョー…
彼らのように中性的な若者達が陽の当たらない屈折した世界を表現する、そういうところが“暗黒の宝塚”と言われる所以、そして魅力なのであろう。観客にゴスロリな女性が居るのが分かる。
ストーリーはあるのだが、雰囲気としては前衛的/実験的。単純なTVドラマや分かりやすい芝居を期待して行くと裏切られる。
意外性や突飛さや時系列の散漫さなどが感じられ、好きな人にはたまらないだろうが、ストレートでありふれたお話しか理解できない方には不向きなアングラでデカダンなイメージが漂う群像劇。
1960年代後半のグループサウンズや学生運動の時代が舞台になっているのだが、戦時中の話や新御三家が出てきたりして、時代考証が混乱気味。
追い詰められた人々によるシリアスな内容なのだが、“回転木馬共和国”などという、どう考えてもたどり着けないおとぎの国へ逃げたがる夢見がちさ。
丸尾末広が描く漫画のような奇妙奇天烈ファンタジーを生身の人間が演じているのだと考えれば分かりやすいのではないだろうか。そうまるで、江戸川乱歩の創作を実物で表現しようとした『恐怖奇形人間』のように。
まっ簡単に言えば“変わったお芝居”という事で、人には勧めないけど、私は好きです。
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