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    *Hello Nico Another World

2011.06.20

■魔性の子 [小説]

魔性の子
小野不由美/著『魔性の子』(1991)新潮文庫

教育実習の為に久しぶりに母校へ戻った広瀬。
恩師・後藤が担任するクラスに足を踏み入れると、一人特異な存在感を放つ少年・高里に気付いた。彼は小学生の頃に神隠しに遭い、それ以来、彼に関わると祟ると恐れられていたのであった。
体育祭が近づき浮き足立ってゆく生徒達、些細ないざこざから怪我をする者が出現し始め、次第におぞましい事件へと発展していく…ホラー/ダークファンタジー

読み易い本よりも、自分好みの本の方が、数倍早く読み終える事ができる。熱中する事により、集中力が格段にアップ。
夢中になり過ぎて、一晩で読んでしまった、寝不足で頭痛いsweat01でも、おもしろかったheart01しかし、仕事に支障があるからほどほどにしなくてはwobbly

若い頃に「自分は周りのみんなと違っている」と思い込み、疎外感を感じた時があったと思う。
または「自分は特別な人間だ」と勘違いして、目立ちたがる者もいただろう。
私は前者である。
みんなが仲良く話している輪に入れず、一人机に座って本を読んでいた。だって知識が新聞か小説からの抜粋しか無く、テレビや雑誌を話題にするクラスメイト達に全くついて行けなかった。
興味の対象が違うからどうしようも無い。未だにそうであるが、取り合えず人の話に合わせる事は何とかできるようにはなった。

広瀬は臨死体験を経て自分を異質な存在と思い、高里へ親近感がわく。やっと自分の同胞と出会えた喜びに目が眩んでしまう。
広瀬がどんなに高里に感情移入しようとも、違う者は違う。似て非なる存在である高里の周りで起きた事故が日を追うごとに凄惨さを増してゆく。
前半はホラー。

そして、未来を予見させる出来事であるニュータウンの女の幽霊話辺りから、もうどうにも目が離せなくなってしまった。二人はいつ出会うんだーーーーー!
後半はファンタジー。

谷崎とか渡辺とかを連想させる『魔性の女』だったら手を出さないけど、一冊で二度美味しい『魔性の子』、めっちゃ楽しませてもらったわ~ 特に的確な評価をする後藤が良い味。

2011.02.14

■グリーンホームの亡霊たち [小説]

グリーンホームの亡霊たち
小野不由美/著『グリーンホームの亡霊たち』(1990)朝日ソノラマ
 パンプキン文庫

16歳の荒川浩志は、再婚した父の元を離れ、小学生の頃一時的に住んでいた町で一人暮らしを始める。
その“ハイツ・グリーンホーム”にたどり着いた時から不穏な気配を感じ、住人の少年・和泉聡に「出て行った方がいいよ」と言われる…ホラー/オカルト

2007年に廃業した朝日ソノラマからかつて出ていたライトノベルシリーズ<パンプキン文庫>の7冊目『グリーンホームの亡霊たち』、現在は講談社<X文庫ホワイトハート>より『緑の我が家』と改題し出版されている。

孤独な少年が友人と共に力を合わせて果敢に闘い、成長してゆく青春物語である。
16歳のわりに浩志はしっかりしていて、高校1年生だというのに下宿ではなく、アパートで一人暮らしができるのが自然な感じがする。
そして知性があるわりに、幽霊と認識できない鈍感さと、都合良く記憶が無いのが不自然な感じ。

結構内容に無理があるのでは…
※ネタバレ
おもしろい小説家と知り、小野不由美を読み始めたが、さすがに21年前ともなると、現在とは筆力が違うんだな。
挿絵が時代を感じさせる本であった。

2011.02.10

■くらのかみ [小説]

くらのかみ
小野不由美/著『くらのかみ』(2003)講談社 Mystery Land

夏休みに山奥の本家へ初めてやって来た小6の耕介、そこでは遺産相続の話し合いの為に親戚一同が会していた。
子供達だけ集まって、蔵座敷の中で「四人ゲーム」を始めたが、気が付くと一人多い…ミステリー

神様ゲーム』と同じ“ミステリーランド”シリーズ、子供向きだからルビが邪魔だけど、興味ある作家の作品を手軽に読めるから結構良い。

この本の表紙絵は村上勉。子供の頃読んだ絵本、佐藤さとるの『コロボックル』を思い出す。猫もふくろうも蛙も出てこないが、座敷童子(ざしきわらし)が出てくる。そして事件が起き、子供達は探偵ごっこを始める。

時々しか会わないいとこ同士はどうしても慣れないものだから、兄弟で固まってしまうけれど、この本では積極的な梨花がいるのと、しっかり者の主人公がサポートしているおかげで子供達がうまくまとまっている。
犯人と座敷童子を捜す二重の楽しみがあり、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを彷彿させ、ハラハラドキドキ。小学校高学年くらいだったら感情移入して楽しく読めるのではないかな。

全体の印象としては『黒祠の島』と同様、行者のたたり伝説を持つ大地主と家を継げない飄々とした親族、財産争いに巻き込まれた人々。
ただし、子供が対象だから陰惨な内容では無いが、図説もついて理解しやすく面白かった。『東亰異聞』よりも本作の方が好み。

2011.02.06

■東亰異聞 [小説]

東亰異聞
小野不由美/著『東亰異聞』(1999)新潮文庫

明治29年、帝都・東亰。
夜の闇に跋扈する魑魅魍魎ども。鋭い鉤爪で人を襲う闇御前、燃え盛る手で人を突き落とす火炎魔人、首を切り落とす辻斬り、子供をさらう人魂売り…人々は恐怖に脅えていた。
ゴシップ紙の記者・平河新太郎は友人の万造と共に被害者の一人、鷹司公爵家の次男・常を訪ねた…ミステリー/ホラー

東京(とうきょう)とは似て非なるパラレルワールド“東亰(とうけい)”を舞台に、明治維新後の開国・文明開化に戸惑う市井の人々。その心に募る不安を具現化するかのように、夜を徘徊する異形の者ども。

小説の雰囲気は怪人二十面相が暗躍する江戸川乱歩のレトロなミステリーで、舞台が昭和初期では無く明治なせいか、江戸の香りが色濃く漂う。
時代小説は読まないので、人形遣いの台詞まわしが今ひとつ頭に入らず、日本人としては文楽も観ておくべき物だと思った。

ストーリーは最初、妖怪たちによる殺人事件かと思われたが、セレブな一族における愛憎劇へと変化していった。そう、横溝正史のように事件を引き金に暴露される名家に巣食う有象無象。
そこへ陰陽師・安倍晴明までが絡んできて、『帝都物語』っぽくもある。

面白くはあるが、夢中になるほどでは無く、意外性もあったが、最後が何だか納得できない。ホラーというよりファンタジーと言ったところ。
それにしても、小野不由美の作品は私の知らない日本を教えてくれる刺激的な本だ。

2011.01.24

■黒祠の島 [小説]

黒祠の島
小野不由美/著『黒祠の島』(2007)新潮文庫

調査事務所の式部は、消息を絶った知人の作家・葛木志保を捜しに九州地方の島へやって来た。
通称「夜叉島」、そこは国家神道において邪教とされる黒祠「馬頭(めず)さん」を信仰していた。
顔も判別できぬほどの惨殺死体が発見され、志保は馬頭さんに決裁されたと島民に信じられていたが、式部は…ホラー/ミステリー

コミックス版『黒祠(こくし)の島』を先に読んだのだが、面白いけれど説明が多く、どう考えてもマンガよりは小説向き…と言う訳で、以前から気になっていた小野不由美の原作を読んでみた。

アニメ『屍鬼』で挫折してしまったので、彼女の作品を手に取る機会を逸していたから、良い機会であった。
そして、古本屋でコミックスに出会う。結末を知っていながらもハラハラ緊張しながら最後まで楽しく読めた。

横溝正史のような雰囲気で、島という閉ざされた空間を舞台に、伝説に裏打ちされた旧家における愛憎渦巻く人間の性を描いたおどろおどろしい内容で、しっかりとした下調べに基づいた説得力のあるミステリー。
マンガで内容を既に知っているにも関わらず、複雑な人間関係が徐々に解きほぐれて行く様も、意外な展開にも再度驚けた。

守護さんの存在感が印象的、神領家の主でさえ平伏す。そして、飄々とした安良が魅力的、思わせぶりな態度にときめく。
難を言えば、「そこまで分かっていながら、どうして麻理の行方を式部に聞く?」いや、託したのかもしれない…大江の提案もナイス。
その先を想像すると更なる人間ドラマが生まれそう、続編希望。

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