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2012.06.03

■ロマン2 [小説]

Image2277
ウラジミール・ソローキン/著『ロマン II』(1998)国書刊行会

狼に戦いを挑み、傷ついたロマンを看病したタチアーナとの結婚が許可され、翌日挙式が執り行われた。
小村クルトイ・ヤール中の人々が屋敷に集まり、皆に祝福されて盛大な披露宴が夜中まで続く。昼からの再会を約束して散会した後、やっと二人きりになったロマンとタチアーナ。
新婚の部屋に用意されていたプレゼントを空けた時、惨劇の幕が切って落とされた…ドラマ

古典ロシア小説を継承する『ロマン I』の後編、前半は熱に浮かされたようなウェディングパーティ、村中の人々が新婚の二人を祝福する。

Image2278様々なロシアの風習、服装、料理…どれもこれも興味をそそる。ゴロトキー、カマリンスカヤ、ルスカヤ、サラファン、ルバシカ、サモワール、カラヴァイ、ブリン、スメタナ…想像力が試されるような文章が続く。

見詰め合う二人「お前を愛している!」「あなたはわたしのいのちよ!」
と言いつつ、違和感を持つロマン。
実在を受け入れて素直にベッドインすれば良いものを、斧に刻まれた文字を見た途端、疑い深い別自我を目覚めさせてしまう。
振り上げたなら斬り落とせ!

どこからロマンは狂ったのかな? 最後の一語に至った原因は何かな? と色々想像していたが、訳者である望月哲男のあとがきを読んで納得した。
最終部分を際立たせるために前の部分の壮大な建物を用意した

所詮フィクション、まじめに読んじゃいかんのよ。でないと作者の悪意に翻弄されてしまう。
後半部分に矛盾が無いよう作者が想像豊かに書いているのかと思ったけれど、結局訳者の努力の賜物だった事が分かったし、“不思議な縞模様”、“音の反復ゲーム”と訳者が的確に表現してくれた。

Image2279障害を乗り越えて結ばれた二人。
幸せの絶頂であったはずの初夜にロマンが深読みし過ぎ、村民殲滅、死体損壊、カニバリズム、スカトロ…気味の悪い展開となる。
ただし、言葉遊びのように淡々としていて、臭いも伝わってこないので案外読みやすい。
これは、バロウズや中井英夫、夢野久作よりは分かりやすいけれど、同じように奇妙な小説。
まさにロシアおそろしや~

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