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    *Hello Nico Another World

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2011.06.29

■いま、殺りにゆきます [小説]

Yumeaki Hirayama
平山夢明/著『いま、殺りにゆきます』(2007)情報センター出版局

アパートで一人暮らしの雨宮さん。
携帯にかかって来た電話に出ると男の声が<もう、殺りにゆきます>と告げる。「いま、殺りにゆきます」…ホラー

被害者の具体的な苗字をあげ、独白のような語り口で、あたかも実話のような雰囲気をかもす短編36話。
あとがきにも担当編集者がネタの取材をしたとか、体験者から聞き書きしたとか記載されているが、平山氏のラジオをお聞きの方は、彼がゲストからう○つ○呼ばわりされている事はご存知あろう。いつもいい加減な事を話して京極氏にツッこまれ、うろたえる平山氏に爆笑してしまう、楽し~い30分番組だshine

と、考えると気が楽になるという内容。
特に一人暮らしの女性に不安を抱かせるような、重く辛い狂気話が続く。
例えば、部屋に押し入って来た男に身体中の骨を折られるとか、空き室に連れ込まれて身体中を齧られるとか、見知らぬ男に身体中を刺繍されるとか…痛い話オンパレード。

救いは起承転結がある事、加害者に実態がある事。
犯人がわからずとも、警察に届けたとか、引っ越したとか、実家へ帰ったとか…スッキリ終わっているところが良いし、幽霊や超常現象でごまかしたりしないところが好感。
その点、『新耳袋』は「隣の部屋が夜中にガタガタ鳴り、必死でふすまを押さえ続けた」とか、何がなんだか分からないまま放置プレイ。
まぁ事実とはそんな物で、分からないままがほとんどなんだけどねsweat01

で、表題作「いま、殺りにゆきます」は、都市伝説<メリーさんの電話>タイプ。『渋谷怪談』にも同じようなのがあったなflair

2011.06.27

■サバイバル [コミック]

サバイバル
さいとうたかを/著『サバイバル』(2000)リイド社 ワイド版

13歳の少年・サトル。
友人と共に洞窟探検していたところ、巨大地震に襲われ、命からがら脱出するが、周囲は海の底に沈んでいた。 たった一人になってしまったサトルは家族や恋焦がれたクラスメートを思い、逞しく生き抜く…アドベンチャー/ドラマ

1976~1978年、少年サンデー(小学館)に連載されていた、天変地異により壊滅してしまった日本で健気に生き抜く少年の冒険物語。
ワイド版なので全6巻のうち、まだ2巻しか読んでいないから、まだ全容は分からないのだが、東京近郊の洞窟と言ったら有料の「日原鍾乳洞」を連想。あきる野市辺りなら中学生が自由に入れるような洞窟があるのかもしれない。

結構前に同僚から借りていたのだが、やっと用事が全く無い週末がやって来たので、このボリュームあるマンガを読む事ができた。
実は劇画が苦手なので、さいとうたかをの『日本沈没』も手を出せずにいたのだが、この『サバイバル』がサクサク読めたから小松左京原作本もスムーズに読めるだろう。

ちょっとしたサバイバルのマメ知識が盛り込まれ、感心しながら読んだ。かなり下調べをしていたのであろう。
先が読めない展開、と言うかサトルの状況も把握できずにストーリーが始まったので結構ハマり、感情移入もできるので、アキコの存在にイライラ…
この先、どう進むのかな?
森恒二の『自殺島』もそうだが、映画『アイ・アム・レジェンド』もしかり、人類最初の親友である“犬”が相棒として登場するのかも。

2011.06.23

■傷だらけの天使 [ドラマ]

kizuten kizuten kizuten
傷だらけの天使』TVK 毎週火曜日 22:00~

テレビのチャンネルを変えていた時、たまたま目にしたドラマ『傷だらけの天使』。オープニングは印象に残っているのに、内容を全く覚えていないし、岸田森が出ていたので録画してみた。

代々木のペントハウスに住む修(おさむ)と亨(あきら)はいつも金欠。
探偵事務所「綾部情報社」の所長・綾部より仕事を依頼されて、しぶしぶ調査を開始するが、情にもろい二人は綾部の助手・辰巳の監視をくぐり抜け、命令にそむいて脱線してばかり。
ボロボロになりながらも、裏社会の底辺を逞しく生きる若者達の物語。

日本テレビ(1974~1975年) 毎週土曜日 22:00より放映されていた、37年前の昭和アウトローな人々のドラマ。実は『傷だらけの天使』と勘違いしていた。
水谷豊扮する亨の「アニキ~」と発する声に何となく思い出して来た。しかし、萩原健一扮する修のチャランポランさがどうにも好きになれない。
だけど、真面目な一般人が主人公ではドラマにならないから、普通の人達が一生接する事が無いであろう“別世界に住む人々”を涙あり、笑いあり、殺傷沙汰ありで表現した人情テレビ番組。当時はワルな雰囲気に憧れて人気があったのかもしれない。

私は毎回騒動が起こり、絶対にこんなクラスはイヤだと思っていたドラマ『3年B組金八先生』。それは身近な学校が舞台で、自分が居てもおかしくない環境が混乱しているから嫌いであった。
しかし、『傷だらけの天使』は自分が関わり合う事の無い人種の話なので、混乱はスリル&サスペンスと感じる事ができる。
そして、BSジャパンで『俺たちの旅』を再放送している。若者のダラダラした日常を描いた話だったような気がするが、70年代の吉祥寺には興味あり。

第2話【悪女にトラック一杯の幸せを】 2011年6月14日(火)
緑魔子 萩原健一 水谷豊

女性(緑魔子)を護衛する仕事を命ぜられたが、不審な男達に連れ去られる。彼女は修を、密輸入の銀のスプーンを横取りした犯人に仕立てようと企てていたのであった。

第3話【ヌードダンサーに愛の炎を】 2011年6月21日(火)
中山麻理 有明マリ 萩原健一

実はヌードダンサー有明マリ(中山麻理)は、財閥の令嬢であった。彼女を親元へ返すため、ストリップ小屋に潜入した修と亨だが、周囲の人々と馴染みなかなか実行できずにいた。

サインはV ←この人だったのね、お美しい~
相棒 水谷豊 ←チェリーが今はこんな感じ

2011.06.20

■魔性の子 [小説]

魔性の子
小野不由美/著『魔性の子』(1991)新潮文庫

教育実習の為に久しぶりに母校へ戻った広瀬。
恩師・後藤が担任するクラスに足を踏み入れると、一人特異な存在感を放つ少年・高里に気付いた。彼は小学生の頃に神隠しに遭い、それ以来、彼に関わると祟ると恐れられていたのであった。
体育祭が近づき浮き足立ってゆく生徒達、些細ないざこざから怪我をする者が出現し始め、次第におぞましい事件へと発展していく…ホラー/ダークファンタジー

読み易い本よりも、自分好みの本の方が、数倍早く読み終える事ができる。熱中する事により、集中力が格段にアップ。
夢中になり過ぎて、一晩で読んでしまった、寝不足で頭痛いsweat01でも、おもしろかったheart01しかし、仕事に支障があるからほどほどにしなくてはwobbly

若い頃に「自分は周りのみんなと違っている」と思い込み、疎外感を感じた時があったと思う。
または「自分は特別な人間だ」と勘違いして、目立ちたがる者もいただろう。
私は前者である。
みんなが仲良く話している輪に入れず、一人机に座って本を読んでいた。だって知識が新聞か小説からの抜粋しか無く、テレビや雑誌を話題にするクラスメイト達に全くついて行けなかった。
興味の対象が違うからどうしようも無い。未だにそうであるが、取り合えず人の話に合わせる事は何とかできるようにはなった。

広瀬は臨死体験を経て自分を異質な存在と思い、高里へ親近感がわく。やっと自分の同胞と出会えた喜びに目が眩んでしまう。
広瀬がどんなに高里に感情移入しようとも、違う者は違う。似て非なる存在である高里の周りで起きた事故が日を追うごとに凄惨さを増してゆく。
前半はホラー。

そして、未来を予見させる出来事であるニュータウンの女の幽霊話辺りから、もうどうにも目が離せなくなってしまった。二人はいつ出会うんだーーーーー!
後半はファンタジー。

谷崎とか渡辺とかを連想させる『魔性の女』だったら手を出さないけど、一冊で二度美味しい『魔性の子』、めっちゃ楽しませてもらったわ~ 特に的確な評価をする後藤が良い味。

2011.06.18

■スカイライン [小説]

スカイライン
来島麦/著『スカイライン -征服-』(2011)リンダブックス

ロサンゼルスの友人宅に滞在するジャロッドとアリエル。
朝目覚めると、外から射し込む青い光に導かれ、身体の自由がきかなくなってしまった。
外に広がる異様な光景、巨大な飛行物体から放たれる青い光に吸い込まれる無数の人々、空を飛び交うおぞましい宇宙人…SF/パニック/ドラマ

本屋に平積みされていた表紙に惹かれて手に取ってみたら、短編集並みの薄さと文字が大きくて読みやすそうなので買ってみた…最近の文庫は高い。
何しろ、バブル後10年程の読書ブランクがあり、久々に読書を復活させたら価格が高騰していて驚いた。浦島気分。
そしてバブル以前、日本の女流小説がたまの頭休めだったが、今はライトノベルもどきとなった。多忙な生活の為、余裕が無いので簡単に入り込み易い小説で完読気分(達成感)が手軽に味わえる。
しかし感想がなかなか追いつかず、やっと書く気になるのがだいたい夜中、体力的に辛いモノがある(泣)

で、感想。
やはりスラスラ読めるのだが、映画をノベル化したという事もあり、起こった異常事態を淡々と綴っているような印象で、全く感情移入できなかった。

だいたい、子供達が大好きな絵本の挿絵画家が“タトゥーあり!?”
 今は結構抵抗無い人がいるけれど、
 私にとっては“紋々”、偏見を持たざるを得ない
“妊娠を告げたら難色を示した!?”
 自分の蒔いた種でしょ。
 不安定な仕事と言い訳する前に、不安な彼女を思いやるべき。
そして、妊娠が分かってるのに飛行機に乗るなんて。

オープニングがハーレクイン、完璧な美男美女の恋愛ドラマと群像劇。
ご都合主義で、想像通りの順番で死んで行く。
描写が甘くて、宇宙人の不気味さが伝わらない。
パニックを恐れて静観していた政府のお陰で、脅威がねずみ算式。

映画を観る前に反則してノベライズを先に読んでしまった。失敗だ_| ̄|○
第9地区』ほどでは無いだろうけど、たぶん映画は面白いでしょう。私は観るよ。

2011.06.04

■愛犬家連続殺人 [小説]

志摩永幸
志麻永幸/著『愛犬家連続殺人』(2000)角川文庫

群馬県片品村でブルドッグを専門に扱う山崎永幸。
埼玉県熊谷市のペットショップ“アフリカケンネル”のオーナー夫婦、関根元と風間博子とはドッグショーで出会った。車の免許を持たぬ関根の運転手を務めつつ、羽振りのいい彼のビジネス手腕を観察していた。
1993年4月20日、微動だにしない客を前にして、子供を盾に脅され、遺体の処理を手伝わされる。それが泥沼の始まりだった…ノンフィクション

映画『冷たい熱帯魚』のベースである<埼玉愛犬家連続殺人事件>の共犯者・山崎永幸が志麻名義で書いたとされる手記。
実際は、蓮見圭一がゴーストライターとして書いたノンフィクション・ノベルだそうだ。

山崎永幸/著『共犯者』(1999)新潮クライムファイル、志麻永幸/著『愛犬家連続殺人』(2000)角川文庫、蓮見圭一/著『悪魔を憐れむ歌』(2003)幻冬舎の3冊は、ほぼ同じ内容。

1994年に逮捕された<大阪愛犬家連続殺人事件>筋弛緩剤による事件のみ覚えていて、実はこちらの<埼玉愛犬家連続殺人事件>の方は全然知らなかった。
何しろ事件が発覚し、1995年ついに二人が逮捕された直後に起きたのは、阪神・淡路大震災とオウムによる地下鉄サリン事件。強烈な出来事により、影に隠れてしまっていた。

しかし、それを忘れていなかったのが映画『冷たい熱帯魚』のスタッフである日活の千葉善紀プロデューサー。彼のお陰で私はこんなエグい猟奇事件に手を貸した人物の本を読むに至ったのである。

映画と登場人物の設定は違うが、事件の内容はだいたい同じような印象である。
特に事件の首謀者である関根元、通称“ホラ元”は地元・秩父に居た時から信用のおけない怪しい人物であったらしい。口が旨いヤツは信用しかねるものだね(私の周囲にも人気があるけれど、嫌な印象を受ける若者がいる。彼はまず挨拶をしない)。
そんなヤツらに面倒をみる事を頼む親から生まれた子供達は不幸だ。

読後、映画を観ている姉と話したのだが、「どうしてこの共犯者は、チャンスがたくさんあったのに逃げるなり、通報するなりしなかったのかな?」と聞いたら、姉は「自分可愛さじゃない?」
そうね、共犯者自身が書いた手記を鵜呑みにしてはならない、自己保身が働いて自分に都合の良いように書いている可能性があり得る。

小心者だ、臆病者だ、脅されたからと言い訳ばかりしているが結局は、
我が身可愛さに次々に関根の犯行に加担していった」(P303)
この部分に集約されているのであろう。
関根の前ではペコペコしていたくせに、検事の前では横柄な態度。そして次々と女を変える下半身がだらしない男の独白。
かなり読み易く、珍妙な関根語録も満載。映画を楽しんだ方には、もう一度楽しめる内容の本である。

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