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2010.04.14

■七つの死者の囁き [小説]

Nanatsu no shisya no sasayaki
アンソロジー七つの死者の囁き』(2008)新潮文庫

2005~2008年「小説新潮」に掲載された作家7人によるホラー短編集、作家名を知っていても二人しか読んだ事が無くて、目的は吉来 駿作だったのだが、思いのほか道尾 秀介が面白かった。でも、この本を読んだ後に夢中になったのは恒川 光太郎
厳選されているだけあってどれも秀作、ホラー嫌いの方にもおすすめできるお得なベスト版といったところ。

有栖川有栖「幻の娘」
刑事の早川は他人が見えないモノが見える。同じく居るはずの無い娘と会った男の無実を確信し、証拠集めに奔走する…
よくある話(?)だが、『シックスセンス』のような悲壮感は無く、早川の正義感に好感を持てて、読後感も良い。

道尾秀介「流れ星のつくり方」
旅行先で一人夜空を見上げていた時、音楽が聞えて来た。近所の民家の窓辺に佇む少年と共にラジオドラマ「星の王子さま」を聞く…
いつ怖くなるのかと身構えながら読んでいたが、全然ホラーらしくなく、むしろ気持ちがホッコリ(可哀そうではあるが)。思い込みによって曇っていた心にオチが沁みる。

石田衣良「話し石」
1001個の話し石を集めるとひとつだけ願いが叶う、S氏はとうとう目的を達成した…
人気作家の小説を読む機会がほとんど無いので、こういうアンソロジーはありがたい。星新一に献辞を述べているだけあって、とても雰囲気が出ていた。

鈴木光司「熱帯夜」
大学4年生の雅人、人生を順調に歩んでいたが、他の娘とはちょっと違うエキセントリックな奈保美を選んだが為に…
『リング』しか読んでいないけど、結構この作家の小説は暗い。最後のオチは茶目っ気なんだろうか、読み手によって解釈が変わるかも、私は前向きに考えたい。

吉来駿作「嘘をついた」
幼馴染の裕子、千莉、そして僕。偶然出逢ったオッサンの協力を得ながら、自殺した裕子のメッセージを汲み取る為、コンタクトを取ろうとする…
幽霊話なんだけどつい笑ってしまう。オチに唖然としたが、それでも納得できたから良いし、オッサンの解釈には説得力があった。吉来氏は伏線の張り方が上手いんだな~

小路幸也「最後から二番目の恋」
琴美と真理恵、小学5年生の時に出会ってからずっと親友。最期の時に人生を振り返る…
ホラーというより、ファンタジー。人生をやり直すより、生まれ変わる方が良い。

恒川光太郎「夕闇地蔵」
寺で拾われた子供・地蔵助、他人が見えないモノが見える。行方不明になった子供達の跡をたどり彼らを連れ帰ったり、どこからかやってくる雨蛇さまが見えたり…
恒川氏らしい郷愁を誘うダーク・ファンタジー。<他人が見えないモノ>と言ってもありきたりでは無く、誰も追随を許さない<恒川印>がついていそうなオリジナルなモノが素晴らしい。そして、『雷の季節の終わりに』にも通ずる、意外な展開に驚く。やっぱり良いね!

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