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2010.04.12

■壊れた少女を拾ったので [小説]

Kowareta shojo wo hirottanode by Toru Endo
遠藤徹/著『壊れた少女を拾ったので』(2007)角川ホラー文庫

戦時下、郊外に移転した大学に通う学生・靖之。
彼の楽しみは昼に学校周辺へバンでやってくる双子・ミチとサチから手作り弁当を買い、話をする事。
今日買った弁当は煮物と鯖とかやくご飯が入った、くたびれた親父の頭。「弁頭屋」…ホラー

おがみむし』を書いた時に思い出した、この衝撃的な本の感想を書いて無い…

姉飼』の作者・遠藤 徹がまたやってくれた、オドロでグロな怪奇幻想小説である本作。期待を裏切らない奇妙さ、想像も付かない奇抜さにドギモです。
淡々と大学生のお話かぁと読んでいたら、弁当の容器は首でちょん切られ、脳をくり抜かれた人間の頭とは!?
タイトルからある程度の予想はついたが、まさかこういう物とは、おまけに話もする…ギョエ~
どうしたら、そういう発想にたどり着くのか、どういう生い立ちだったのかとても気になる作家である。ついでに、他の弁当屋はどんな弁当箱だったんだろう?

赤ヒ月」は、孤独な少年が仲間として迎え入れられ、新しい世界へと踏み出す成長物語。
その世界とは肉食の者達による聖餐、聖なる学校において先生と生徒が合い乱れて酒池肉林と言った感。裏切り者とはすなわち、生贄。犠牲者は恍惚のまま加害者と渾然一体となる。
いわゆるグラン・ギニョール的な小説、絵で表現するとしたら丸尾末広が描く狼男の世界かな。

カデンツァ」は、“家電”と夫婦生活を営む人々の話。フェティッシュもここまで来たか…いやいや未来のロボットの姿かも。

壊れた少女を拾ったので」は、おねえさまに手紙で語りかけるイッちゃってる妹が壊れた少女を廃棄所から拾って来て、足りないパーツは自分の身体から補充、修理するお話。
これもまたいびつな世界、丸尾末広のイメージ。
遠藤氏の小説に登場する“虐げられた者”は“被害者”という自覚が無い。彼らは、いわゆる“殉教者”なのだろうか。

桃色遊戯」は、ダニに覆い尽くされピンクに染まった世界で、途絶えつつある人類の最期を描いた終末SF。他とは違った作風で結構マトモ、こんな小説も書けるのね。
どうしても、P-Modelの「MOMO色トリック」が頭に浮かんで仕方が無い。

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