■粘膜人間 [小説]
飴村行/著『粘膜人間』(2008)角川ホラー文庫
戦時下の村。15歳の利一、14歳の祐二の溝口兄弟は巨体の義弟・雷太の横暴に怯えていた。
二人は村はずれに棲む河童の三兄弟・モモ太、ジッ太、ズッ太に雷太を殺すよう頼んだが…ホラー/スリラー/バイオレンス
角川書店主催<第15回(2008年)日本ホラー小説大賞>長編賞受賞作『粘膜人間』。
う~ん、これはひどい…ひとに薦める事ができないくらいの異様さでエログロかつ悪趣味、まるっきり私好みだ( *´艸`)
例えてみれば、初期デヴィッド・クローネンバーグ監督映画の内臓感覚。
どんな人が書いているのかと調べてみると、こんなにドロドロした小説にも関わらず作者は意外やマトモ…人は見かけによらない、頭の中で何を考えているのか分からないとつくづく思う。
雰囲気はダークだが内容はフレッシュ、あり得ない設定と先が読めない展開に胸の動悸がおさまらない。
まずは義弟11歳は身長195cm体重105kg、二人の父親をいたぶる日々。村に住み着いた流れ者の頼まれ事。カッパの言動(グッチャネ、ソクソク…)、カッパがいる事自体おかしい。
でも、それだからおもしろい。あまりにもリアルな設定だったら、ただの犯罪小説になってしまうが読者は共感できないような内容になるかもしれない(普通の小学5年生を義理の兄達が井戸に突き落とすとかのクライム・サスペンスね)。
“拷問用幻覚剤「髑髏」”の部分がかなり評価されていたが、本筋と関係無いので私は眠くてしかたが無かった。
それにしても、「予定外の行動をとるとロクな事にならない」と教訓を与えてくれる寓話と言えるかも…
いや、グッチャグチャなファンタジーだよ(^-^;
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