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    *Hello Nico Another World

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2010.04.28

■戦慄迷宮3D [映画]

THE SHOCK LABYRINTH
戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』(2009)日本
 監督:清水崇 出演 柳楽優弥

遊園地へ遊びに来た幼馴染の小学生5人は、親が席をはずした隙に裏口からコッソリお化け屋敷の中に忍び込む。さまよううちにユキが行方不明となってしまった。
それから10年後、残った4人の前にユキが帰って来た。
突然倒れたユキを病院に運ぶが、その病院は姿を変え迷宮と化した…ホラー/スリラー/サスペンス

これもまた以前観たのだが、感想を書いたメモを見つけたので、既に奥に入り込んでいた記憶を掘り起こした。

試写会に当たり、新宿・バルト9で鑑賞。ここはドルビー3D方式でレンズが虹色に光るきれいなメガネ、そして映像もきれい。
特に森の風景が立体的で美しかった。
アバター』は文字の立体化がやけに目に付き、すぐに3Dに目が慣れてしまったが、『戦慄迷宮3D』の方は風景に奥行きが感じられ、途中静止する場面の立体的な再現性が際立った。

富士急ハイランドのお化け屋敷「戦慄迷宮」をモチーフとした、日本初の長編3D映画と言う事で関係会社の期待も大きかったであろう。しかし、興行的には??? 同僚に話したら「何それ、知らない」との反応。

呪怨』の清水監督なので、ホラーにありがちなビックリシーンを期待すると肩透かしをくらう。
たぶん、ホラーが苦手な人は3Dによって更に恐怖が倍増するかもしれないから観に行かないし、ホラーが好きな人は物足りなく感じると思う。
怖気をそそるショックシーンは全く無く、血は一滴も流れない。
暗くて重くて先に何が出現するか分からず不安でドキドキ、まさに“遊園地のお化け屋敷”のように作られた雰囲気なのだ。
この思い出の場所で、後めたい過去を持つ若者達が再会し、あの時の事件を再現し、再認識する哀しき青春ドラマ。
おめぇーが原因だったんじゃないかよっっ!!!

ストーリーは…矛盾があるんでちょっと。それにホラー好きとしては、怖さを打ち消すようなエンディングに白けちゃったし…
話の流れはちょっと凝っていて、現在と過去が前後しているから単純に面白いとは言えないけれど、映像がきれいなので、ホラーとして構えずにエポックメーキング的に考えて観ると良いかも。クリエイティヴ系の方や、可愛らしい女の子を見たかったならオススメかな。
子供は混乱するだろうし、大人は共感できない、この映画は一般青年向きのソフトホラーと言えるかも。富士急アトラクションの利用年齢と比例するね。
ネタバレ

ちなみに清水監督が言うには、この映画は既に脚本が用意されていたそうだ。三池崇史監督も「最近は脚本に忠実だ」と言っていた、メジャーになると色々大人の事情があるのだろう。
その点、我が道を行ってるのは塚本晋也監督かな? 『鉄男 THE BULLET MAN』すご~く楽しみ♡

2010.04.27

■ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 [映画]

Män som hatar kvinnor
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)
 スウェーデン/デンマーク/ドイツ

元ジャーナリストのミカエルは大富豪のヴァンゲル氏に行方不明となった姪ハリエットの調査を依頼される。
ヴァンゲル一族が住む孤島を訪れたミカエルは、警備会社の調査員リスベットと共に、ハリエットが残した約40年前の痕跡を捜し求める…ミステリー/サスペンス

以前に観たので記憶が薄れていたが、だいたい思い出したので感想を書く事にした。
過激なバイオレンス部分は印象的ではあるが、ストーリーは忘れてしまう程度の映画だった。
原作本は著者の死後に大ヒットしたようであり、<R15>とあって一般向きでは無いのだが、果たして映画はどれほどヒットしたのであろうか?

過激な映画は好きである、刺激が強い方が眠くならなくて助かる。
だから、リスベットが報復をした時はとても痛快で、強く印象に残っている。

しかし…この映画はわざとらしい。

あまりに作られた設定にうんざり。
逆境の中年男が一発逆転(シルベスター・スタローンの映画みたい)、心に傷を持つ女(庇護欲でしょうか)、自分を見つめる同世代の女が居ながら若い女とねんごろになる中年男(いつも抱いている夢ですか)、孤島に住む金持ち一族の秘密(ゴシック系にありがち、貧乏人のひがみかな)、天才ハッカー(『トランスフォーマー』よりはマシだけど、ありきたりでしょ)等々…中年男の願望を詰め込んだ妄想映画と言った感、うがった見方をするへそ曲がりでゴメンね[´・_・`]

北欧製とあってすごく期待していたのに、ハリウッド映画を暗く刺激的にしただけという印象で、個性や目新しさを感じられず残念。過激なイギリス映画と言った雰囲気かな、ホラー慣れしている私にはイマイチだったわヽ[´ー`]ノ

それにしても、予告で使われていたEraAmeno」は映画と全然関係無いのね[Θ_Θ]

2010.04.25

■第9地区 [映画]

DISTRICT 9
第9地区』(2009)アメリカ/ニュージーランド
監督・脚本:ニール・ブロンカンプ 
出演:シャールト・コプリー ジェイソン・コープ

巨大な宇宙船が漂着し、南アフリカ・ヨハネスブルグの上空にとどまった。
船内からは、エイリアン(通称・エビ)が救出され、地上に塀で囲った難民キャンプを設置して20年以上が経過、爆発的に増加したエイリアンと人間との諍いが絶えなかった。
そこで、都市から離れた『第10地区』へ移送する事となり、MNUのエイリアン課で働くヴィカスは、スラムと化した居住地区をまわるうちに謎の黒い液体を顔に浴びてしまう…SF/ホラー/アクション/ドラマ

予告を観て面白そうだなーと思って何気に観に行ったら、大当たり! 私の中では今年一番の素晴らしい映画だった。
アバター』も楽しめたが、ストーリー展開は予想できたので、美しく迫力ある映像が記憶に刻まれた。しかし、こちらの『第9地区』は内容が心に残る…イヤ、心に傷を残すような映画だった。未だにラストを思い出すと切なくなってしまう(T_T)

てっきり、感染の恐怖におののく『28日後...』を『マーズ・アタック』のようなコメディに仕立てたSFかと思っていたが、ところがドッコイ(*_*)人間の傲慢さを浮き彫りにしたドキュメンタリータッチのスリル溢れるジェットコースターのような映画、ストーリーの意外さにビックリよ(☆_☆)
キャー、危ないと思うと…ハラハラドキドキの連続、予想外の展開に(゚Д゚)アワワ~
特に良いのは良き父親、知性溢れる宇宙人クリストファー。
そして、『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンのようにごくありふれた人の良い男、愛妻家のヴィカス。

『エイリアン』や『マトリックス』のようなロボットを操る『蠅男の恐怖』『ザ・フライ』と色んなテイストを含むが、奇想天外なオリジナル・ストーリーでSFの名を借りた社会派ドラマ。
良い意味で大きく期待を裏切ってくれ、メカとグロの融合も良かった♡

あれほど高度な文明を持っていながら、食欲だけにとらわれ無力なエイリアン達、難民キャンプに漂う閉塞感。長い年月を地球で過ごすには“あきらめる”しか無いのかな? クリストファー!!

2010.04.23

■アバター [映画]

AVATAR
アバター』(2009)アメリカ
監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ

地球人は衛星パンドラの地下にある鉱物資源を採掘する為、住民ナヴィ族を移住させる計画を立てていた。
元海兵隊員のジェイクはナヴィを説得する任務を受け、アバターを操作して彼らと接触するが…SF

最初はCGアニメだと思い込んでいて、観るつもりは全く無かった。
しかし、予告を見たらシガニー・ウィーバーが出ているではないか?! 興味をそそられ、2Dで観る予定が、3Dの評判があまりに良いので、2,000円のメガネ付きチケットを購入。

戦慄迷宮』でも思ったが、映画の3Dはディズニーランドのアトラクションのように目の前に飛び出すわけではなく、立体的な奥行きが感じられる映像である。
アバター』を観始めてすぐ、字幕文字の方が立体的に見え(印刷物等のドロップシャドウのように)、気になって仕方が無く、吹き替えにすれば良かったと後悔…でも、すぐに目が慣れてしまい、映像の美しさとリアリティが際立つ。
80年代のCGはどう見ても、地に足が着いてなくて、フワフワ浮かんでいるように見えたが、現在のCG技術の進化はめざましく、本当にこんな星があり、青い巨人がいるのかもしれないと思うくらい圧倒された。

あまり予備知識を入れてなかったので、ジェイクの姿を見て「あれっ?」、アバターによって自由を得た彼の気持ちが伝わり、観ているこちら側もワクワクしてしまった。
独創的なパンドラの生物にも驚き、スリルあり、スペクタクルあり、愛と友情ありのてんこ盛り映画。
ストーリーはよくあるハリウッド映画だけれども、見応え充分、美しい映像で、ちょっとお高い料金でも観て良かったと満足。

私は“アフリカは人類発祥の地であり、もっとも歴史が長いにも関わらず、進歩が無い”と思っていた。
しかしこの映画を見て思った、その地に住む人々にとっては適したライフスタイルだと言う事、文明の進化が全てでは無く、『裸足の1500マイル』のように他地域に住む人々の価値観を押し付けてはいけないのだ。
以前テレビで、ジャングル奥地に住む若者がTシャツとジーンズに着替えて、遠く離れた町へ働きに行ったけれど、やはり腰巻一つで狩りをする村の生活の方が良いと舞い戻ったドキュメンタリー番組を見た事がある。
それぞれの環境が違うのだからこそ、思考や習慣も違って当たり前、そこにはそこの長い歴史に基づいて社会が成り立っているのだと…そんな事も考えさせてくれた映画だった。

アカデミー賞を逃したのは残念だったけれど、ヒットするにはそれなりの理由がある。映画館へ人々を呼び戻す魅力を持つ映画『アバター』、愛と勇気とワクワクが詰まってる。キャメロン監督は好きだけど、未だに『タイタニック』観てないんだなぁ~

2010.04.20

■パラノーマル・アクティビティ [映画]

Paranormal Activity
パラノーマル・アクティビティ』(2007)アメリカ
 監督・製作・脚本:オーレン・ペリ
 出演:ケイティー・フェザーストン ミカ・スロート

2階建ての家に棲むカップル、デイトレーダーのミカと教師志望の学生ケイティ。
ケイティは幼い頃から、寝ている間に感じる何者かの気配や物音に悩まされていた。心霊学者に自宅へ来てもらうが、彼は悪魔専門の博士に相談してくれと言い、帰ってしまう。
ミカは暗視カメラを設置し、就寝中の部屋の様子を撮影し始めたが、そこに映っていたのは…ホラー

“怖い”と評判の映画『パラノーマル・アクティビティ』、特に低予算で作りながらも口コミで大ヒットし、巨額の収益を集めた事で日本公開が注目されていた。
“どれほど怖いんだろ~”と期待に胸膨らませて、よくホラー映画をレイトショー上映してくれる池袋シネマサンシャインへ一人のこのこと訪れた。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト』タイプのドキュメンタリー風の映画。
ケイティ達が寝ている間にあんな事やこんな事が起きる。特に嫌な感じなのが、ケイティが立っているシーン、通常とは異なる行動は不安をかき立てる。

う~ん、眠い。
寝不足もあるが、何か眠い映画だ。恐怖の要素は充分だが、作り物臭さが漂う(一番リアリティが感じられなかったのはケイティが学生だという点)。ホラー映画を見慣れている私には次に何が起きるか予想でき、想定の範囲内。つまりホラーの定番パターンをてんこ盛りにした映画と言えよう。
徐々に恐怖が増して行くように、観客にその先を勝手に想像させ、恐怖におののくようタイミング良く編集されている。

今まで常にカメラで追っていたのに、そのカメラに何も映らない時が来たら、何かがあるに決まってる。
こういう場合私にはテクニックがあって、スクリーンの端の方へ微妙に視線をずらすのだ。そうしないとマトモにビックリシーンを見るハメになる、そんなの『キャリー』でコリゴリよ。

一番の疑問は、妹は現在どうなってる? これがテーマの続編だと良いな。
ネタバレ

*     *     *

帰りのエレベーターで「嫌!観たく無い!」と文句を言っていた女性が居たが、あなたはもう観てしまったのではないかい? たぶん想像するに、“本当は来たくなかったけど、彼氏が観たがったから仕方無くついて来た”のでは? これは一人でホラー映画を観に来る事ができない男が情けない。彼女が母親役でいてもいいならだけど、今後も何かあると彼氏に頼られちゃうよー


ブログネタ: 度胸試し!あなたはこの動画を観て、映画館に行くことができますか?参加数拍手

2010.04.16

■粘膜蜥蜴 [小説]

Nenmaku Tokage Ko Amemura
飴村行/著『粘膜蜥蜴』(2009)角川ホラー文庫

12歳の真樹夫は同じ国民学校初等科の同級生である大吉と共に、町一番の権力者の一人息子・雪麻呂の自宅に招待をされた。
蜥蜴の顔を持つ下男の爬虫人・富蔵に案内され、城のような豪奢な邸宅で初めてコウカ・コウラを飲み、死体置場を見学し、秘密の特別病棟に入った時、事件は起きた…ホラー/スリラー/アドベンチャー

異様な『粘膜人間』に魅了された私は、すぐさま次作を手に入れた。あまり流行を追う方ではないので、話題になった時期をとうに過ぎてから買ったから、まとめて読めてラッキー。
前作が、手に汗握る展開で終わったので、てっきりこの本は続きなのかと思っていたが、全く別な話なのね。
前作よりもエロ感は少なく、ネットリとした奇妙さは充分、そして気味の悪さは倍増。またもや、先の見えない展開にクラクラめまいがする、一体どこが着地点なのだろう…

富蔵の出生地、東南アジア・ナムールのジャングル描写が好きだ。
クリムゾンの迷宮』『ルインズ』等、古くはH・R・ハガードの冒険小説のように、一歩足を踏み入れたら後戻りはできない謎に満ちためくるめく密林世界。
結局、主人公は真樹夫ではなく雪麻呂なのね。最初は嫌な感じがしたけれど、真樹夫が言った通り「純粋さ」ゆえ嫌いにはなれない、むしろ好感度大。そして、驚愕のラスト…あんぐりですわ。

飴村氏は新作を執筆中との事、すご~く楽しみ。
インタビューを読んでいたら以前は漫画を描いていたそうだ、『ガロ』にさえ断られたという原稿を見てみたい!

2010.04.15

■粘膜人間 [小説]

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飴村行/著『粘膜人間』(2008)角川ホラー文庫

戦時下の村。15歳の利一、14歳の祐二の溝口兄弟は巨体の義弟・雷太の横暴に怯えていた。
二人は村はずれに棲む河童の三兄弟・モモ太、ジッ太、ズッ太に雷太を殺すよう頼んだが…ホラー/スリラー/バイオレンス

角川書店主催<第15回(2008年)日本ホラー小説大賞>長編賞受賞作『粘膜人間』。
う~ん、これはひどい…ひとに薦める事ができないくらいの異様さでエログロかつ悪趣味、まるっきり私好みだ( *´艸`)
例えてみれば、初期デヴィッド・クローネンバーグ監督映画の内臓感覚。
どんな人が書いているのかと調べてみると、こんなにドロドロした小説にも関わらず作者は意外やマトモ…人は見かけによらない、頭の中で何を考えているのか分からないとつくづく思う。

雰囲気はダークだが内容はフレッシュ、あり得ない設定と先が読めない展開に胸の動悸がおさまらない。
まずは義弟11歳は身長195cm体重105kg、二人の父親をいたぶる日々。村に住み着いた流れ者の頼まれ事。カッパの言動(グッチャネ、ソクソク…)、カッパがいる事自体おかしい。
でも、それだからおもしろい。あまりにもリアルな設定だったら、ただの犯罪小説になってしまうが読者は共感できないような内容になるかもしれない(普通の小学5年生を義理の兄達が井戸に突き落とすとかのクライム・サスペンスね)。

“拷問用幻覚剤「髑髏」”の部分がかなり評価されていたが、本筋と関係無いので私は眠くてしかたが無かった。
それにしても、「予定外の行動をとるとロクな事にならない」と教訓を与えてくれる寓話と言えるかも…
いや、グッチャグチャなファンタジーだよ(^-^;

2010.04.14

■七つの死者の囁き [小説]

Nanatsu no shisya no sasayaki
アンソロジー七つの死者の囁き』(2008)新潮文庫

2005~2008年「小説新潮」に掲載された作家7人によるホラー短編集、作家名を知っていても二人しか読んだ事が無くて、目的は吉来 駿作だったのだが、思いのほか道尾 秀介が面白かった。でも、この本を読んだ後に夢中になったのは恒川 光太郎
厳選されているだけあってどれも秀作、ホラー嫌いの方にもおすすめできるお得なベスト版といったところ。

有栖川有栖「幻の娘」
刑事の早川は他人が見えないモノが見える。同じく居るはずの無い娘と会った男の無実を確信し、証拠集めに奔走する…
よくある話(?)だが、『シックスセンス』のような悲壮感は無く、早川の正義感に好感を持てて、読後感も良い。

道尾秀介「流れ星のつくり方」
旅行先で一人夜空を見上げていた時、音楽が聞えて来た。近所の民家の窓辺に佇む少年と共にラジオドラマ「星の王子さま」を聞く…
いつ怖くなるのかと身構えながら読んでいたが、全然ホラーらしくなく、むしろ気持ちがホッコリ(可哀そうではあるが)。思い込みによって曇っていた心にオチが沁みる。

石田衣良「話し石」
1001個の話し石を集めるとひとつだけ願いが叶う、S氏はとうとう目的を達成した…
人気作家の小説を読む機会がほとんど無いので、こういうアンソロジーはありがたい。星新一に献辞を述べているだけあって、とても雰囲気が出ていた。

鈴木光司「熱帯夜」
大学4年生の雅人、人生を順調に歩んでいたが、他の娘とはちょっと違うエキセントリックな奈保美を選んだが為に…
『リング』しか読んでいないけど、結構この作家の小説は暗い。最後のオチは茶目っ気なんだろうか、読み手によって解釈が変わるかも、私は前向きに考えたい。

吉来駿作「嘘をついた」
幼馴染の裕子、千莉、そして僕。偶然出逢ったオッサンの協力を得ながら、自殺した裕子のメッセージを汲み取る為、コンタクトを取ろうとする…
幽霊話なんだけどつい笑ってしまう。オチに唖然としたが、それでも納得できたから良いし、オッサンの解釈には説得力があった。吉来氏は伏線の張り方が上手いんだな~

小路幸也「最後から二番目の恋」
琴美と真理恵、小学5年生の時に出会ってからずっと親友。最期の時に人生を振り返る…
ホラーというより、ファンタジー。人生をやり直すより、生まれ変わる方が良い。

恒川光太郎「夕闇地蔵」
寺で拾われた子供・地蔵助、他人が見えないモノが見える。行方不明になった子供達の跡をたどり彼らを連れ帰ったり、どこからかやってくる雨蛇さまが見えたり…
恒川氏らしい郷愁を誘うダーク・ファンタジー。<他人が見えないモノ>と言ってもありきたりでは無く、誰も追随を許さない<恒川印>がついていそうなオリジナルなモノが素晴らしい。そして、『雷の季節の終わりに』にも通ずる、意外な展開に驚く。やっぱり良いね!

2010.04.13

■アンデッド [小説]

Undead by Tetsuzo Fukuzawa
福澤徹三/著『アンデッド』(2008)角川ホラー文庫

不知火高校の美咲は他人が見えない物が見える。
同級生が無残に殺され、連続殺人事件の様相を帯びてきた。
美咲は文芸部の仲間と地元の小説家・鬼屋敷と共に調査を始める…サスペンス/ホラー

怪談ノ宴2009』にも出演していた福澤 徹三、とてもかたぎには見えない風貌である。
表紙絵はかなり苦手だったが、以前から気になる作家だったので読んでみた。

とても読みやすく、表紙からも分かる通り青少年向けといった感。
いわゆる少年探偵団系で、伏線があちこちに張られ都合が良すぎるほど辻褄が合う。
語り手としての職人技とか、ライター養成講座のお手本のように構築されたストーリー展開で、とてもソツが無いのだが、特にひねりや目新しさがあるわけではなく、印象に残るモノが無かったので、すっかり内容を忘れてしまっていた。再読して思い出す。
作中の登場人物・鬼屋敷は作者を投影しているのでは? 京極夏彦みたいね(読んだ事ないけど…)。

青少年向けとは言いながらもかなり刺激的な表現を含んでいるので、映画で言えばR15相当では無いだろうか、オカルトからスプラッターへとステップアップ可能な方が読む方が良い。
私としては、色々な事例の紹介が参考になって良かった。

2010.04.12

■壊れた少女を拾ったので [小説]

Kowareta shojo wo hirottanode by Toru Endo
遠藤徹/著『壊れた少女を拾ったので』(2007)角川ホラー文庫

戦時下、郊外に移転した大学に通う学生・靖之。
彼の楽しみは昼に学校周辺へバンでやってくる双子・ミチとサチから手作り弁当を買い、話をする事。
今日買った弁当は煮物と鯖とかやくご飯が入った、くたびれた親父の頭。「弁頭屋」…ホラー

おがみむし』を書いた時に思い出した、この衝撃的な本の感想を書いて無い…

姉飼』の作者・遠藤 徹がまたやってくれた、オドロでグロな怪奇幻想小説である本作。期待を裏切らない奇妙さ、想像も付かない奇抜さにドギモです。
淡々と大学生のお話かぁと読んでいたら、弁当の容器は首でちょん切られ、脳をくり抜かれた人間の頭とは!?
タイトルからある程度の予想はついたが、まさかこういう物とは、おまけに話もする…ギョエ~
どうしたら、そういう発想にたどり着くのか、どういう生い立ちだったのかとても気になる作家である。ついでに、他の弁当屋はどんな弁当箱だったんだろう?

赤ヒ月」は、孤独な少年が仲間として迎え入れられ、新しい世界へと踏み出す成長物語。
その世界とは肉食の者達による聖餐、聖なる学校において先生と生徒が合い乱れて酒池肉林と言った感。裏切り者とはすなわち、生贄。犠牲者は恍惚のまま加害者と渾然一体となる。
いわゆるグラン・ギニョール的な小説、絵で表現するとしたら丸尾末広が描く狼男の世界かな。

カデンツァ」は、“家電”と夫婦生活を営む人々の話。フェティッシュもここまで来たか…いやいや未来のロボットの姿かも。

壊れた少女を拾ったので」は、おねえさまに手紙で語りかけるイッちゃってる妹が壊れた少女を廃棄所から拾って来て、足りないパーツは自分の身体から補充、修理するお話。
これもまたいびつな世界、丸尾末広のイメージ。
遠藤氏の小説に登場する“虐げられた者”は“被害者”という自覚が無い。彼らは、いわゆる“殉教者”なのだろうか。

桃色遊戯」は、ダニに覆い尽くされピンクに染まった世界で、途絶えつつある人類の最期を描いた終末SF。他とは違った作風で結構マトモ、こんな小説も書けるのね。
どうしても、P-Modelの「MOMO色トリック」が頭に浮かんで仕方が無い。

2010.04.11

■郵便屋 [小説]

Yubinya by Jun Serizawa
芹澤準/著『郵便屋』(1994)角川ホラー文庫

パソコン機器の営業マン・和人は、仕事も結婚を前提とした恋人・玲子との交際も順調だ。
車の運転中に危うく自転車に乗った郵便屋とぶつかりそうになった。その後、自宅へ「ひとごろし」と書かれた手紙が届けられるようになる…ホラー/オカルト/スリラー

角川書店主催<第1回(1994年)日本ホラー小説大賞>佳作『郵便屋』、この記念すべき第1回目には残念ながら大賞に該当作は無く、佳作が3作品、その中の一つが本作。

丁寧に書かれた典型的なオカルト・ホラー、著者的には最後でひねった(オチ)つもりなのだろうが、読者が予想できる範囲内のありふれた展開で、“佳作”だったのが納得できる。
小説としては悪く無いのだが、普通過ぎるのと、全く怖く無いのが難点。

それにしても人間って、他人にここまで冷酷になれるのかと驚くばかり。誰も止める者はいなかったのかい? 罪悪感や後悔の念は浮かばなかったのかい?
私だったら嫌いな人にはなるべく接したく無いから、最低限の話しかしないし、なるべく目を合わせないようにするけどなぁ~

2010.04.10

■覚書12 [日記]

[イベント]
Postmainstream Performing Arts Festival
山川 冬樹『黒髪譚歌』(BlackHair Ballad)
 3月28日(日) 17:00 VACANT

[読書]
小説
 芹澤 準/著『郵便屋』角川ホラー文庫

[映画]
アバター』ユナイテッド・シネマ豊洲
パラノーマル・アクティビティ』シネマサンシャイン池袋

※3/5~3/7大阪に行って来た、メインはUSJ

2010.04.06

■おがみむし [小説]

Ogamimushi by Toru Endo
遠藤徹/著『おがみむし』(2009)角川ホラー文庫

有馬温泉駅前旅館皇女の顔を見ると、人々はもろい石と化してしまい、すぐさま砂となって崩れ落ち、砂漠化が広がっていた。
それ故に父親であるミカドは皇女を忌み嫌い、帝居の端へと追いやった。
世話係の閻乃魔子とひっそりと暮らしていた皇女は人工授精によって妊娠し、石のお地蔵様を産み落とす。
それを知ったミカドは刺客を差し向け、全面戦争へと突入する。「くくしがるば」…恋愛ファンタジー/戦争アクション

奇々怪々な『姉飼』『壊れた少女を拾ったので』にすっかり魅了された私が、七戸優の表紙絵に誘われてつい買ってしまった『おがみむし』。
表題作の「おがみむし」は、ひげ面男に心臓を丸呑みされ虜にされてしまった女性達の耽美でゴシックな世界、私好みだった。
拝み虫とはカマキリ、寄生したハリガネムシが脱出するとカマキリは死ぬ…らしい。共食いもするしね、なんか納得。

しかし、困惑してしまったのが「くくしがるば」。
私が持っていた遠藤 徹のイメージを覆す、ポップでヒップでホップな恋バナ。
怒っていいですかヽ(`Д´)ノ

まさかこんな奇抜な小説を読む日がくるとは思わなかった、口語体が本当に辛かったよ(泣)
でも、好きな作家だもん…我慢して読んだけど、文字を追うだけで内容が全然頭に入らず(無意識のうちに拒否)、3日かかってやっと読み終わった(〃^д^)

デューン砂の惑星を舞台に繰り広げられる大スペクタクル戦争絵巻、光源氏+フランクン・フルター博士+カクレンジャー VS. 娘・メドゥーサ+召使・猫娘+恋人・ロボコップ。映画しか知らないけど『銀河ヒッチハイク・ガイド』のようなハチャメチャぶり(゜Д゜; )
ウィリアム・バロウズのように意味が通じないないなら文字だけ目で追えば良いけど、なまじストーリーがあるもんだからブッ飛んだストーリーを頭の中で構築しながら読むのは疲れたよヽ(´Д`)ノ
それにしても遠藤氏は多彩だ…

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