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2010.03.13

■草祭 [小説 恒川編]

Kusa Matsuri by Tsunekawa Kotaro
恒川光太郎/著『草祭』(2008)新潮社

様々な知識を与えてくれる叔父と共に山に生きる少年、彼は叔父を失ったときから声を失ってしまう。
そんな少年を救ったのは道に迷った僧侶・リンドウ。物言わぬ少年を“テン”と名付け、人里の暮らしを教えてくれた。
リンドウの孫娘・花梨によって声を取り戻し、周りの人々と共に穏やかに暮らしていたが、再び口の聞けぬ出来事に遭遇する「くさのゆめがたり」…ファンタジー/ホラー

さ迷える“恒川ワールド”4冊目『草祭』、小説新潮に掲載されていた短編が収められている。表紙の雰囲気が似ていたから、ずっと角川書店だと思い込んでいた。
本作はテンが作った美しい山奥“美奥”をテーマとした、民話/おとぎ話5編が紡がれている。

けものはら
小5の雄也、友人・春と共に迷い込んだ野原<けものはら>、そこにいると別な物へと変わってしまう。春が行方不明になってしまった…

屋根猩猩(しょうじょう)」
空想好きな女子高生の美和、クラスメイトは陰湿な猿。美和は不思議な少年タカヒロに出会う、彼は屋根飾りのある尾根崎地区の守り神なのだと言う。

天化の宿(てんげのやど)」
鬱屈した日々を送る少女・ゆうか、双子に連れられクトキを受ける。
意外な終わり方に唖然…苦は自分自身で乗り越えろと言う事か。

朝の朧町(おぼろまち)」
孤独な女性・香奈枝は長船さんに出会う。彼の作り出した町は彼女の心を映し出す。次々と思い出す辛い過去を後に残し、長船さんの故郷“美奥”へと旅立つ…

どれも幻想的で素敵な話だった。
もちろん、一番好きなのは「くさのゆめがたり」、やはりドキドキする話が好きなのだ。恒川氏はこういう少年が主人公の話が巧みで、読者を別世界へといざなってくれる。もしかしたら存在するかも…存在していたら良いと切に望んでしまう夢の世界(“ラピュタ”の世界に行ってみたいと憧れる子供とおんなじ感覚)。
屋根猩猩」も好きだ。小気味良いし、伏線に気付き、ハッとさせてくれた。
彼の小説は夢見がちな少女時代へ戻ったような読後感を与えてくれ、その話の続きを一生懸命考えている自分がいる。

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