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2010.03.12

■秋の牢獄 [小説 恒川編]

Aki no Rougoku by Tsunekawa Kotaro
恒川光太郎/著『秋の牢獄』(2007)角川書店

女子大生の藍。11月7日水曜日の翌日、大学へ行くと親友の由利江が昨日と同じ事を話す、日付を確認すると11月7日だった。
次の日以降も、目覚めるとまた11月7日を繰り返す…秋の一日に囚われてしまったのだ。もう、クリスマスも正月も誕生日も来ない。
そんな孤独な藍の前に一人の青年が現れた「秋の牢獄」…ファンタジー/SF/スリラー

第12回日本ホラー小説大賞を受賞した『夜市』以来、独特な異世界に魅了され、恒川光太郎の本を読み続けている。
2冊目の『雷の季節の終わりに』も素晴らしかった。

しかし、この3冊目の中の「秋の牢獄」は…う~ん、今ひとつ。
主人公が女性で現代がテーマとなり、現実と隣り合わせの異世界を描いてはいるが、私にはのめり込めなかった。
女性がマルボロを吸うのにも違和感、レース好きの男がカッコつけて吸うタバコだと思う(臭いから隠れて吸うタバコ向きではないのでは?)。
前作までは、自分のおかれた境遇を何とかしようと必死に行動する少年達の姿が切々と語られていたが、この「秋の牢獄」は受身だ。
藍は現在の状況を悲観しながらも受け入れるしかない。刹那的な過ごし方しかできないのは分かるが、いつか終わりが来ることを、誰かが自分を解放してくれるだろうと漠然と期待して待っているだけのように思えて共感できず、不満がくすぶっていた。

そんな私の気持ちを変えたのは「神家没落」、この本の中で一番好きな話である。
最初は牧歌的な民話/神話でも読んでいるかのようだったのが、まさかこのような展開になるとは思いもよらなかった…ホラーである。

最初、何を言いたいのか分からなかった「幻は夜に成長する」、幽閉され善行という名の金稼ぎを強いられる女・リオ、特殊な能力を持ったがゆえに孤独な人生を送って来た。人々を救いはするが、彼女が救われる日は来るのだろうか。
それよりも何よりも、とても気になったのはリオの母。たった一人の身内を、やっと取り戻した娘を、彼女はなにゆえ手放したのだろうか?

身近な女性にアドバイスされてはいるのだろうが、作者は男だから女の気持ちまでは表現しきれないという事なのだろうか。
「恒川ワールド」とはちょっと違った雰囲気の3編、たまにサイコなホラーが顔を出す。

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コメント

おお!
恒川光太郎、来ましたね。
この人、オモシロイですよね!

おっ、晴薫さんも読んでましたか…さすがに読書家、活字中毒。
ちっとも感想書いてませんが、今「日本ホラー小説大賞」完読を目指していて、『夜市』を読み彼にハマりました。

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