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2010.03.23

■嘘神 [小説]

Usogami by Shiro Mitamura
三田村志郎/著『嘘神』(2009)角川ホラー文庫

ある日目覚めると、そこは窓の無い金属の壁に囲まれた密室だった。
高3のコーイチと共に居たのはいつもツルんでいる仲間5人、全員寝ている間にこの部屋に監禁され、事態が把握できずに戸惑っていた。
姿が見えぬ“嘘神”の声が室内に響く、「元の世界に戻りたければ生き残れ」。最後の一人を目指すサバイバルゲームの幕開けだ…ホラー/サスペンス/スリラー

角川書店主催<第16回(2009年)日本ホラー小説大賞>長編賞受賞作『嘘神』、著者は22歳の大学生。

本作は何の前触れも無く突然、死のゲームに強制参加させる“神の実験”と言う名の人の生死をもてあそぶ身勝手な行為に、まんまと翻弄される若者達の葛藤を描いた小説。
いわゆる不条理ミステリー、犯人は? 目的は? 手段は? 場所は? 何ら答えの出ない青春アクション・スリラー。だって神なんだもん、何でもアリでしょ?!
貧乏神や疫病神、死神、色々な神がいるのだから、“嘘神”がいても良いかもね。存在感が薄そ~、だって誰も信じるはずが無いでしょ、信じてはいけないのよ。
でも、彼らは高3の11月だというのに進路も決まっていないアフォ~な若者達なもんで、目先の事にばかり気をとられ、ヒントがあるにも関わらず答えを導き出せないまま野垂れ死ぬ。

密室ホラーと言ったら何となく、映画『SAW』を連想してしまうだろうが、知恵を絞らなければならないところは映画『CUBE』の方がイメージが近いかもしれない。しかし、これらの映画のように残酷では無いから大丈夫。
むしろ、80年代のドラマ『親子ゲーム』のような騒々しさ。何日も水も食物も口にできず弱っているはずなのに、ドタバタケンカばかりしていて、鬱陶しいほどパワフルでハイテンションな不自然さが鼻につく。そして、嘘神の人選にもあきれた。

読んでいる間中、若者言葉が気になって仕方が無い。“彼女さん”だって…人の顔色を伺うような、下から目線のペコペコ媚びるイメージが浮かぶ。
本作は前々回書いたように、私にとってはハズレである。
でも『古川』を受け入れる事ができない若者にとっては『嘘神』の方がスンナリ入り込め、共感できるのではないだろうか。読後の印象の違いは世代の違いかな…やはりプログレ好きの中年は叙情性が感じられない小説からは感銘を受けないのである。

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