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2010.03.21

■D-ブリッジ・テープ [小説]

D-Bridge Tape by Kazuki Sato
沙藤一樹/著『Dーブリッジ・テープ』(1998)角川ホラー文庫

“D-ブリッジ”とはゴミの不法投棄が絶えない“横浜ベイブリッジ”の事を指す。そこで少年の死体と共に発見された一本のカセット・テープには彼の半生が語られていた。
父親に連れられ、捨てられた5歳の少年・ネン、彼は健気にもゴミの中で必死に生き抜いて来た。ある日、目の見えない少女・エリハが置き去りにされ、この日から彼の生活は一変する…ドラマ/スリラー

人の好みはそれぞれなのだから、当然小説の当り外れがある。
私は作家で読む方なのだが、コンスタントに作品が刊行されるわけではないので、最近は無難に角川書店主催の<日本ホラー小説大賞>受賞作品を読んでいる。わりと薄い文庫本が多く2時間程で読み終わるので、毎日手軽に脳内旅行へ旅立てる。

第4回(1997年)日本ホラー小説大賞>短編賞受賞作『D-ブリッジ・テープ』は、遺されたカセット・テープを会議室で20人ほどの臨海区域開発の協議者が聞くという設定。
わずか5歳で一人で生きねばならなくなったネンの独白は辛いモノがあるが、聞いているメンバーが全くの他人事という様子。
橋と会議室のシーンが交互に書かれているので一度上がった熱を急激に下げられ、興醒めしてしまう。

グロい表現はあるが、少年の置かれた境遇を考えるとそれも“アリ”かなと思う(何しろ経験が無いもんで…)。しかし、子供が捨てられるなら、他の動物や家に帰れない脳レベルの大人だって捨てられていてもおかしく無いと思う、そこら辺が不自然。
そして、主人公にお似合いの少女が登場してしまう辺りが、これは“恋愛ドラマ”なんだなと思う。
少年と少女だけの世界で思い出すのは真藤順丈の『地図男』、子供が捨てられる松本清張の『鬼畜』ではないのだよ。
捨てられた後の壮絶な人生を描いた小説で、少年・ネンは本能に突き動かされて“生”を目指してひたすら進む。そして、このテープは自分が確かに生きていた“存在の証”なのだ。

最初にも書いたが、あとがきで選考委員が熱く語っているのに反して、恋愛小説に興味がない私には熱くなれない内容、それに全く怖く無い…つまりハズレ。

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