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2009.02.01

■SINKER 沈むもの [小説 平山編]

SINKER 沈むもの by Yomeaki Hirayama
平山夢明/著『SINKER 沈むもの』(1995)TOKUMA NOVELS

3人の幼女の遺体が発見された。発見場所も犯行手口も違っていたが、その残忍性から同一犯の可能性があり、手がかりを求めてキタガミ警部は超能力者ビトーと共に、医療刑務所に収容されている心理学者プゾーの元を訪れる…サスペンス/スリラー/ホラー

今まで読んだ彼の短編小説等とは趣きが違う、読み応えのある長編サイコ・ホラー。
確かに残酷な描写はあるが、近年発表されている小説の圧倒的な異様さとは異なるまともなサスペンス小説であった。

主人公はビトーかと思って読み進めていたが、語り手がころころ変わり、主観がぼやけてしまい、なかなか感情移入できずにダラダラ一ヶ月かけて読んでしまった。
結局のところ、私は苦しい立場に追いやられながらも懸命に犯人を追い求めるキタガミ警部が主人公と思った方が共感できて、読みやすい。
特に最後の犯人との対決シーンが良い。早く読みたくてつい行を飛ばしがちになるはやる気持ちを抑えつつ、まだるっこしい動作(犯人を目の前にして電話かけるかな?等)にイライラしながら、警部と共に痛みやビトーの感覚を想像しながら、狂おしく読んだ。
どうして被害者側に沈まないのかと、ビトーには共感できないままだった。

色々な例え話が出てきて著者の知識が豊富だと感心するが、詰め込み過ぎな感もあり。そして薀蓄も豊富。
私が気に入ったのは、ギルフォードの言「一番、恐ろしいことは現役時代に救い難い悔いを残すことだ。~それはウィルスのように君の残りの時間を喰いつぶしてしまうぞ。~」(P200)

収監されている心理学者にお伺いを立てるところがトマス・ハリス/著『羊たちの沈黙』に似たアプローチ、犯人は『レッド・ドラゴン』とも言えるかな。
いわゆる“負の連鎖”、抑圧された人間はどこかで何かで発散するのだろう、誰も本人さえも予想がつかない。この犯人は“無知”のなせる業、悲しいね。

           *     *     *

知人の娘は祖母に虐待され、知人は離婚し、娘と共に暮らしていた。娘の話をうのみにする知人は疑心暗鬼に陥り被害妄想気味、娘もまた登校拒否で自宅にこもるようになった。
久しぶりに見かけた娘の目が泳いでいて、とても声を掛けられる雰囲気では無く、心に傷を負った家族が密室化するのは良くないものなのだなと思った。

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