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2008.11.10

■他人事 [小説 平山編]

Hitogoto by Yumeaki Hirayama
平山夢明/著『他人事』(2007)集英社

クラスメイトのチャコから電話がかかって来た「…痛いよ」
かつてのヒロと同様、義理の父親に虐待されているチャコを助ける為に、宗教へ貢ぐ母親の財布を掴み、彼女の自宅へと駆けつける「おふくろと歯車」…ホラー

短編集全14編。装丁は凝っていて、丸く切り取られた窓から覗くのはトレヴァー・ブラウンの『our lady of raspberries』、中には透ける赤い紙が挟み込まれている。

中身は相変わらず、鬼畜オンパレード。
でも、不思議な事にイメージする風体が普通のどこにでもいる人に感じられて仕方がない。舞台設定が『独白するユニバーサル横メルカトル』や『ミサイルマン』のように自分とは関係の無い別世界のような出来事では無く、ありふれた身近な人々の異常な体験談話が書かれているからなのだろう、語っている主人公の考えに共感できる。
でも、こんな経験はゴメンだ。

他人事
イヤな感じはするのだが、“事故に遭った人を助けて当たり前”という価値観を押し付けてはいけないという戒めなのか。
状況を変えれば、電車の中で被害にあっている人を目の当たりにしながら、誰も助けようとしない人々は男と同じレベルかも。または、電車の中で倒れている酔っ払いがいたとする。汚物まみれで悪態をついていたら、見て見ぬフリをするだろう。しかし、彼が見るからにやばそうだったら…どうするだろうか?
結局、事故当事者の態度にも問題があるので、男の事をむやみに責める事もできないし、納得できる結末だった。

倅解体
実際にあった二つの事件を思い出してしまう、イヤ~なお話。そして、ひねりがきいてる所が良い。

おふくろと歯車
友人の母親が宗教にのめり込んで大変だと言っていたのを思い出し、彼女の母親はもう頭が別世界へ行っちゃってた感じがした。
でも、この小説におふくろはほとんど出て来ず、不幸なカップルの純愛物語。

仔猫と天然ガス
若者パワーの不条理炸裂、これが一番不愉快。

しょっぱいBBQ
生きるのが下手な家族が更なる不幸に見舞われる。

れざれはおそろしい
可哀そうな彼に救いの道は無いのかね、彼がもっと精神的に強ければ良かっただけの事かも。これもまた生きるのが下手な家族で、いつも犠牲者は…

上にも書いたが、どこにでもいるような人々の話なので、わりとすんなり頭に入る。そして、その人達を不幸に陥れているので精神的に強い人なら大丈夫、読めるよ。ケッチャムのどん底小説より、救いがあるから読みやすい部類だと思う、ホラーが平気ならね。
墓場の向かいに住んでた時、「実態の無い幽霊より、実際に被害に遭わせられる人間の方が怖いよ」と、先輩に言われたな。

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