
楳図かずお/著『恐怖劇場1』『恐怖劇場2』スーパー・ビジュアル・コミックス(1992)
小学館
赤んぼう少女編
「赤んぼう少女」(1967)週刊少女フレンド
里親の元を転々としてきた少女・葉子、やっと本当の両親と巡り会えたが、その家の不気味な影に気づく。母親が成長しない赤ちゃん・タマミを密かに施設から連れ戻して隠していたのだった…ホラー
「ねがい」(1975)週刊少年サンデー
友だちが欲しかった小学生・等は自分で作った人形・モクメが動くように一心に願いをかける。しかし、転校してきた智子と仲良くなり、モクメが気味悪い事に気付く…ホラー
「うばわれた心臓」(1971)月刊平凡
「蛇」(1975)週刊少年サンデー
「絶食」(1983)別冊少女コミック
「蟲たちの家」(1972)週刊ビッグコミック
へび女編
「ママがこわい」(1965)週刊少女フレンド
入院している母親を見舞った弓子は好奇心から、病院の奥にあるヘビ女を見に行く。退院して家に戻った母親の様子がおかしい事に気付き、家族に訴えるが叱られてしまう…ホラー
「まだらの少女」(1965)週刊少女フレンド
「へび少女」(1966)週刊少女フレンド
現在公開中の映画『赤んぼ少女』、父親役が野口五郎でイメージとしてよく合っていると思う、クラシカルで誠実な感じ。しかし、タマミはさすがに赤ちゃんを使うわけにはいかないし、どんなもんだろう? 正直なところ、観たいけどお金を出すほどではない。どんな人達が観に行くのかは興味あり。
タマミは残酷な赤ちゃんではあるが、むしろ可哀そうと感じ、つい同情してしまう。そんな気持ちで読むとだんだんタマミが愛らしく見えてくる。
でも、最後のページの首をかしげて手を振っている弓子が一番可愛い!
ちなみに「赤んぼ少女」「のろいの館」「赤んぼう少女」と改題されている。
楳図かずおにとって“へび”が恐怖の対象なのだろうか、やたらとヘビ話が多い。それも女性がヘビになっちゃう。メインのへび女は美しいんだけど、脇役のへび人間っていかにも様子が変でギャグっぽい。
そして、この『恐怖劇場2 へび女編』は最初と最後がつながっていて、『恐怖劇場1』の「蛇」が入っていない理由が納得できる。土着や病気などの理由を感じさせ、悲しい運命を背負う者達の、ただの不愉快な存在では無い蛇を描いているマンガなのだと。
子供の頃から変わらずホラー好きな私が大人になって久しぶりに読み返した感想は以上であるが、少女の頃はひたすら怖かったよ~
今回一番面白かったのは「蟲たちの家」、クモとなった妻が哀れだの~
* * *
いくつか『恐怖劇場』というタイトルで出版されているが、重複している作品が多い。確認していないので調べた範囲内で記録。
ワイド版:ビッグスピリッツ 小学館
『楳図かずお恐怖劇場 へび女』小学館
「ママがこわい」「まだらの少女」「へび少女」収録
『楳図かずお恐怖劇場』
「赤んぼう少女」
コンビニ本:My First BIG 小学館
『恐怖劇場 [ママがこわい]』(2008.8/8新装丁アンコール発売)
「ママがこわい」「蛇」「ねがい」収録
『恐怖劇場 [へび少女]』
『恐怖劇場 [まだらの少女]』
『楳図かずお 恐怖劇場 [ギョエー!!]』
「蟲たちの家」「絶食」「まだらの少女」「ねがい」「プレゼント」「DEATH MAKE」収録
文庫本:角川ホラー文庫 角川書店
『へび少女 ~楳図かずお恐怖劇場~』
「ママがこわい」「まだらの少女」「へび少女」収録
『赤んぼう少女』は~楳図かずお作品集~となっている。
「赤んぼう少女」「黒いねこ面」「怪談」収録
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