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2007.01.31

■ルーマニア・マンホール生活者たちの記録 [ノンフィクション]

ルーマニア・マンホール生活者たちの記録
早坂 隆/著
ルーマニア・マンホール生活者たちの記録』(2003)現代書館

冷戦下の共産主義国ルーマニア・独裁者チャウシェスクが行った多産化政策により、この世に生を受けた子供を育てきれない親達が捨ててしまった。
悪質な環境の孤児院から抜け出した子供達は、首都ブカレストの地下に潜る。1989年流血革命の後、物乞いと盗みで何とか生き延びるが、シンナーに溺れ、エイズに感染してしまう者もいる。
1年半滞在し、差別されながらも屈託なく生きる子供達との触れ合いを語るルポルタージュ。

ルーマニアと言ったら、ホラー好きとしてはトランシルヴァニア地方のブラン城。
チャウシェスクと言ったら、TVで繰り返し流された妻との最期の姿。
ロマと言ったらジプシー、ボヘミアン、流浪の民。インドがルーツなのだそうだ。

悪臭と不衛生なマンホールの中に段ボールを敷き、ろうそくの明かりの下で怠惰に過ごす子供達、孤児院よりも自由を選んだ。
親の愛も教育も受けられず、社会のルールを身につける事が出来ずに育つが、気のいい仲間達が生きる術を授けてくれる。
ルーマニア語を話せる著者とそんな彼らとの寝ぐらや公園のベンチでの微笑ましいやりとり、優しい著者の言葉が共感を生む。
チャウシェスクについての記述は全てが真実では無い事がWikipedeiaで分かったが、それでもティミショアラ暴動前後の文章には心揺さぶられるモノがあった。

TV放送のカラー化は日本では1960年だが、1980年代のルーマニアとアルバニアは白黒放送だった。まだ冷戦下のドイツにおいて国境に近い東側の人々は西側のTVを受信し、冷蔵庫の中身やテーブルの上の食べ物に驚愕したそうだが、ルーマニアの人々はハンガリーやブルガリアにアンテナを向けて西側の情報を取得し、やはり変革への意識が芽生えていったそうだ。
社会主義って何だったのだろう、理想だけでは生きて行けないと思う。みんな平等だと言っても顔や性格が違うのと同じ、みんな同じには生きられない。
でも、マンホールの中で生きる子供達にまともに成長する機会が与えられるべきだと思う。しかし、私には読みやすいこの本をお薦めする事ぐらいしか出来ない。

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