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2005.06.27

■わが母なる暗黒 [小説 JE編]

My Dark Places
ジェイムズ・エルロイ/著『わが母なる暗黒』(2004)文春文庫

母の死から30数年を経てたどるエルロイの自伝的小説。
1.「赤毛の女」殺害された母の当時の捜査について
2.「写真の少年」小説家になるまでの自分自身について
3.「ストーナー」母の死を調査するパートナーについて
4.「ジニーヴァ・ヒリカー
  母を殺害した犯人と失われた母自身について

不必要な事柄まで事細かに記され、緻密なところはさすがエルロイ。事実にからめて自分自身の思いや記憶を取り混ぜた、非常に読みやすい本だった。しかし、ドキドキするような内容では無く、淡々と語られていたので、読み終わるまでかなり時間がかかってしまった。

彼の過去については、それをウリにしているような節があったので知っていたが、ジェイムズが本名では無いという事を初めて知った。
いずれにしても稀有な人生、そしてドン底から這い上がって来た彼も素晴らしく、記憶力も良い。色んな事が積み重なって彼独特の小説が書かれたという事が分かった。

常々思うのは、普通の人が当たり前の事を書いても目立たない、普通と違うからこそ、注目される。それは有名人にも言える事で、抜きん出るモノがあるからこそ、多くの人が知る事となる。エルロイは持って生まれたモノもあるだろうが、彼の経験に裏打ちされているのかもしれない。
そして何よりも、自分の母を殺害した犯人をここまで調べる事自体、滅多に出来ない事ではないだろうか。

印象に残ったのは、もちろん彼の悲惨な過去もあるが、ラヴォンヌとの出会い、ジャネットとエドが喜んだ事、10歳にして永遠に別れてしまった生前の母を知る部分も好感。
そして555ページ「教えてほしい」、『ホワイト・ジャズ』でクラインも心の中で叫んでいた。やはりこの本に出てくるリッチーはエルロイの投影か…

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コメント

ついに読んだのですね!
もう読んだの6,7年前のことなので細部は忘れてしまってたりするんですが、
母の写真が生生しくて、本全体に、時間が止まったような午後2時の暑い夏の気温、という印象を持ってます。
あとちょっとポール・オースターの「ムーン・パレス」も少年一人残されてたくましく生きる、という内容なので、そっちとごっちゃになってる部分もあります。

わが母なる暗黒って、本当に母親の話しだったんですね。

お母さんが殺されたのは知っていたけど、そんな生の話しだとは思いませんでした。

>ろ~ずさん
ついに読みましたよ!
長い事時間がかかりましたが、すごく読みやすい本でした。ストーナーの部分が小説のようで結構面白かったです。
彼は色んな事を想像していたのですね、分かるような気がしました。そしてその想像が文字として具現化し、小説家となったのだな、と考えながら読みました。

「ムーン・パレス」は読んだ事がありません。

>晴薫さん
内容は生々しくはありませんよ。淡々と事実を並べていて、小説のようにグロくはないですよ。想像をかきたてるような文章は無く、証言とか捜査とかに重点が置かれています。

親が事件に巻き込まれた人はいますが、ここまで警察の協力を受け、マスコミに報道してもらい、自分で調べ上げるとは…エルロイならではの自伝となっております。

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